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第26話 エリーの朝の大胆な起こし方

Auteur: みみっく
last update Date de publication: 2025-09-11 06:00:48

 その言葉を聞いたエリーの表情が、ふっと変わる。

 驚き、戸惑い、喜び——それらが混じり合ったような、けれど最後に落ち着いたのは、どこか色っぽく、魅力的な微笑だった。

「本当ですか……? じゃあ、また……してもいいですか? わたしから……今度は、ちゃんと」

 耳まで真っ赤にしながら、それでも勇気を振り絞ったように、そっとこちらに手を伸ばしてきた——。

 そして濃厚なキスをし合い。お互い満足するまで、朝方まで愛し合った。

 朝早くからエリーは朝食づくりをしてくれていた。俺が起きると朝食ができていた。

「ユウさん、朝ですよー! 朝食ができました。起きてくださーい。」寝ているユウの元へエリーが起こしに来た。

 なかなか起きないユウにエリーの頬が可愛く膨らみ、いたずらっ子のような微笑みを見せた。

「むぅぅ。うふふ……ちゅっ♡ 起きないのなら襲っちゃいますよぅ……♡ ミリーナさんとお約束をしているんじゃないのですか?」

 エリーが布団の中に潜り込み、抱き着きながら耳元で言われ目を覚ました。

「……ん、んん……?」

 エリーの柔らかな声と、ほんのりとした吐息の感触に、ユウはゆっくりと目を開けた。

 視界の先に見えたのは、すぐ目の前にあるエリーの可愛らしい顔。

 その頬はほんのりと赤く、いつもより近い距離に、ユウの心臓が一気に跳ね上がった。

「おはようございます、ユウさん♪」

 小さな声で囁くように言いながら、エリーはふわりと微笑んだ。

「……おい、エリー……お前、今なんか……」

「ふふ、なにかしましたっけ?」

 とぼけたように首を傾げながら、彼女はユウの胸に顔をうずめる。

 かすかに俺の頬と唇に湿ったキスの名残を感じた。

「全然起きないんですもん。だから、ちょっと……起こし方、変えてみました♡」

「……変えすぎだろ……」

 赤くなった顔をそらしながら呟くユウの胸元で、エリーはくすくすと笑った。

「朝からミリーナさんとの約束を破っちゃうところでしたよ? でも大丈夫です。わたしが先にユウさんを起こしたんですから、勝ちですね♪」

「勝ちとか言うな……」

「それに、せっかく朝食も作ったんですから。早く食べてくださいね?」

 そう言ってエリーが布団の中から出て行こうとした瞬間、ユウはつい、手を伸ばして彼女の手首を取ってしまった。

「……もうちょっとだけ、こうしてちゃだめか?」

「っ……!」

 エリーは一瞬驚いたように目を丸くしたが、すぐにふにゃりと嬉しそうな笑顔になって、そっと彼の隣に戻る。

「……甘えん坊さんですね、ユウさんって……♡」

「……そういうの、言うなよ」

 恥ずかしそうに目をそらすユウに、エリーは優しく額をくっつけた。

「じゃあ、あと五分だけ……ですよ?」

「……おう。五分な」

 小さく笑い合いながら、二人はもう一度布団の中でそっと寄り添い、しばしのぬくもりを共有した。

 やがて窓の外から差し込む朝陽が、少しずつその光を強めていく。

 エリーと朝食を終え、八百屋へ向かうと、すでに朝食を済ませたミリーナが店先で待っていた。

「おはようございます! ユウさん、エリーさん」

 ミリーナは元気よく挨拶をするが、その声には微かな緊張が滲んでいた。

 俺は軽く笑いながら言う。

「ミリーナは、相変わらず早いんだな。」

 ミリーナは照れくさそうに微笑み、肩をすくめる。

「えへへ。当然ですよ……これから交渉ですよ? 緊張で……アハハ。」

 落ち着かずに家を飛び出してきたのだろう。

 それでも、こうして待っているあたり、気合は十分だ。

 そんなミリーナに、エリーが優しく微笑みながら声をかける。

「ミリーナさん、頑張ってくださいね♪」

 邪魔にならないようにさりげなく励まし、俺に小さく手を振ると、店の中へと入っていった。

 俺はミリーナの様子を見ながら、軽く息を吐く。

「よし、じゃあ……農場へ行くか。」

 ミリーナは緊張しながらも、しっかりと頷く。

「……はいっ。」

 その声には、確かな決意が込められていた。

 だが――ミリーナの表情は緊張で強張り、仕草にもぎこちなさが残っていた。

 俺は、そっと彼女の手を握る。

「ちょっと、緊張しすぎじゃないのか?」

 やさしく声をかけると、ミリーナはびくっと反応し、小さくうめく。

「うぐぅ……。緊張しますよぅ。」

 そう言いながら、彼女は視線を落とし、肩を縮める。

「この商談に掛かっているんですよ。失敗したらぁ……はぁぁ。」

 彼女は息を深く吐き、戸惑うように服の端をぎゅぅっと握った。

 ――まるで無意識のうちに、頼るような仕草をしていた。

 俺は苦笑しながら、そっとミリーナの手を軽く叩いて励ます。

「大丈夫だ。お前ならやれる。」

 ミリーナははっと顔を上げ、小さく頷く。

・♢・♢・♢・

 ミリーナは昨日、帰宅すると、一緒に住む姉に相談をしていた。

「お姉ちゃん、あのね……。仕事でさ、商談をしに行くんだけど。どうすれば?」

 姉はソファに身を預けながら、興味深そうに眉を上げる。

「ふぅん……。いきなり、あなたがそんな重大な仕事を任せられたんだ。すごいねぇ……。責任重大じゃないの。」

「……ちょ、ちょっとぉ! お姉ちゃんっ! 緊張させること言わないでよねぇー」

 ミリーナが焦るように言うと、姉は楽しそうに笑った。

「あはは……♪ だってーそんな重要な仕事、私任せられたことないし。わかんないよー? 私、下っ端だしぃー」

 ミリーナは不満げに口をとがらせる。

「もうっ、真面目に教えてよぅ!」

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